(特定非営利活動法人日本エステティック機構(JEO/福士政広理事長)と一般社団法人日本エステティック振興協議会(JEPA/瀧川睦子理事長)は、2023年4月19日(水)エステティック運営事業者に向けて、「HIFU(ハイフ)」による施術の即時中止を要請した。
消費者庁の消費者安全調査委員会によると、前立腺がん治療など医療機器に用いられる高密度焦点式超音波(HIFU)にて一部エステティックサロンが美容施術を行った結果、顔の神経に麻痺や障害が出るなどの被害が8年間に135件報告されている。このような報告を受け、2023年3月29日、同委員会はHIFUの施術を適切に行うには解剖学の知識が必要であり、「医療行為」として施術者は医師に限定すべきという意見をとりまとめ、輸入機器流通の監視強化、施術者への情報共有などの再発防止策を含めた報告書を公表した。
■消費者庁
同委員会は報告書の中で、厚生労働大臣、経済産業大臣、消費者庁長官に意見を述べている。経済産業大臣への意見として、HIFU施術は人体に危害を及ぼすリスクが高い施術であり、施術者が法規制で限定されるのを待つことなく、エステティック業界に対して早急かつ広範に注意喚起を行う必要があることを指摘した。これを受けて経済産業省は、2023年4月19日、エステティック関連団体と協力し、関係事業者に対しHIFU施術の危険性について注意喚起を行った。
■経済産業省
JEO、JEPAでは、すでに2017年の国民生活センターによる注意喚起に基づき、HIFU施術の危険性についてエステティック事業者に通知し、再三、注意喚起を行ってきた。それにもかかわらず、いまだにHIFU施術が行われていることを重く受け止め、すべてのエステティックサロン事業者に、HIFU施術の即時中止を要請することとなった。HIFUと名称が異なる機器でも、HIFUと同様の機器であれば、同様に施術中止を求めるとしている。消費者保護とエステティック産業の健全な発展のために、あらためて、エステティックサロン等ではHIFUの使用・取り扱いを行わないよう徹底したい。